Blender は次の OS で動作します。ハードウェアと最新の OS 対応はこちらを確認してください。
基本的に NVIDIA の GeForce または Quadro GPU を搭載しているビデオカードをおすすめします。執筆時点では他の GPU でもある程度対応は進んでいるものの完全ではなく、新機能の実装も遅れる傾向にあるからです。
ただし簡単なモデリング程度ならノート PC でも可能です。
もし Cycles レンダーを利用するなら、各機能の最新の対応状況も確認してみてください。
ダウンロードは公式サイトの Blender.org のダウンロードページから行います。
ダウンロードページにアクセスすると、アクセスした OS に合わせた、最新リリースへのリンクが自動的に表示されますが、別の OS 用のバイナリや、古いバージョンのダウンロードも下のリストから利用可能です。
また、マイクロソフトストアや Steam、Linux Snap Store からもインストールできます。
LTS 版について
Blender のリリースには通常版と「LTS(Long Term Support: 長期サポート)版」があります。
LTS は2年間、仕様や互換性を維持しつつ、修正のみを行う特別なバージョンです。
例えば、現在使用中のバージョンに不具合があるが、新バージョンでは仕様変更により、既存の多数のファイルやデータに更新が必要になる……そんな時は LTS 版を使用すれば、修正の恩恵のみ受けつつ、完成まで同じバージョンを使い続けることができます。
ポータブル版とは、Blender の設定データを PC のユーザーデータに作らず、バイナリと同じ場所に置くバージョンのことです。例えば USB メモリなどにフォルダーごと入れておくことで、どこの PC でも同じ環境の Blender を持っていくことができます。
ただし単に ZIP ファイルを展開するだけではポータブル版として動作しません。詳しくは次のインストールの項をお読みください。
インストーラーを起動し、最初の画面を[Next]で移動すると、GPL に関する確認が出てきます。
通常、Blender をアプリとして利用する人は GPL のことを気にする必要はないので、左下の「I accept the terms in the License Agreement」をクリックしてチェックし、そのまま[Next]をクリックで先に進みます。
インストール場所を設定します。デフォルトでは下図のように「%ProgramFiles%\Blender Foundation\Blender(バージョン)\
」(下図はBlender 3.6の例)になります。別の場所にインストールしたいなら[Browse...]をクリックして指定します。
準備ができれば[Next]をクリックします。
[Install]をクリックすると、インストールが始まります。途中ユーザーアカウント管理(UAC)のダイアログで確認を求められますが、それ以外は放置していてかまいません。
上述の通り、Windows 版インストーラーでインストールした場合、デフォルトでは「C:\Program Files\Blender Foundation\Blender(バージョン番号)
」に各バージョンの Blender がインストールされ、さらに設定ファイルも後述のように「%APPDATA%\Blender Foudation\(バージョン番号)
」フォルダーに入るため、何も考えなくても複数のバージョンが共存できます。
ZIP ファイルを好きな場所に展開します。なお、あまりパスが長くなる場所(フォルダー階層が深い場所など)に置くと、一部スクリプトが展開できなくなる可能性があります。
ポータブルにする場合は次の項も見てください。
「ユーザーデータ」の保存場所は、デフォルトでは、Windows の場合は「%APPDATA%\Blender Foudation\(バージョン番号)
」フォルダー、その他 OS の場合は、「usr
」ディレクトリ以下に入ります。
しかし、例えば、デフォルト設定のみのチュートリアル専用の Blender 環境を作成したり、USB メモリで持ち運びしたい時は、ポータブル版として動作させることができます。
ポータブル版として動作させるには、単に「Blender インストールフォルダー内の(バージョン番号)フォルダー」に「config」フォルダーを作成するだけです。
これは別に ZIP 版でなくてもよく、インストーラーでインストールした Blender でも同様にインストール場所の(バージョン番号)フォルダー内に「config」フォルダーを見つけたら、そちらを設定に使用するようになります。
最初の起動時、下図のような「スプラッシュスクリーン」が表示され、インターフェイスの簡単な設定を行うことができます。
もしスプラッシュが消えてしまった場合は、一番左上の Blender マークをクリックし、「スプラッシュ画面(Splash Screen)」を選択してください。
スプラッシュの「Language」をクリックし、「Automatic (Automatic)」を選択すれば、インターフェイスが使用している OS の言語設定に合わせて設定(恐らく多くの人は日本語化)されます。左下の[次]ボタンで先に進みますが、この時点で終了しても日本語化は設定されています。
後で「プリファレンス」(全体的な設定)から設定することもできます。
編集メニュー→プリファレンス...(Editメニュー→Preferences...)からアクセス可能です。
一つ前のバージョンの Blender を使用した経験がある、例えば「3.6」をインストールした時に、上記のユーザーデータ保存場所に「3.5」フォルダーが残っている場合、[3.5の設定を読み込む]と[新しい設定を保存]ボタンが表示されます。
前者をクリックすると、前バージョンの設定がそのままコピーされ、もし外部アドオンがあればそれもコピーされます。
以前の設定は使用したくない場合は、[新しい設定を保存]ボタンをクリックすれば、今スプラッシュで行った設定をそのまま使用します。