元記事:EEVEE & Viewport - Blender Developer Documentation

スクリーンスペースレイトレーシングのオーバーホール

5.2リリースではスクリーンスペース・レイトレーシングパイプラインの大幅クリーンアップが行われました。一部で互換性がなくなるものの、長期にわたるユーザビリティの問題の解決を目標にしています。

従来 以降

大半の古いシーンは読み込めば見た目が同じになるでしょう。そうでない場合は、通常 Thickness(厚さ)パラメーターの調整が必要になります。エネルギー保存の修正により、一部シーンでは5.1よりレンダリング結果が暗くなるかもしれません。

Screen Tracing(スクリーントレーシング)サブパネルに、新しく Backface(裏面)オプションが追加されました。光の漏れの軽減や、GI の見た目の調整が可能です。このオプションは Screen Space GI(スクリーンスペース GI)と Fast GI Approximation(高速 GI 近似)の両方に影響を与えます。

無効(互換) 両面(スライダー1.0) 片面(スライダー0.0

反射のデノイザーに、反射の接触部の鮮明さを保つ補助となる調整が行われています。

従来 以降

また、Raycast(レイキャスト)ノードにも交差の精度が受け継がれ、もうレイのカメラ方向への移動での偽陽性によるトリガーがなくなりました。

従来 以降

技術的な詳細と左右の比較のスクリーンショットは、プルリクエストを参照してください。(PR#157059) (PR#156597) (PR#157763) (PR#157479) (PR#158051) (PR#157803) (PR#158150)

高速 GI と AO の修正

いくつかの深刻なバグが新しい Fast GI(高速 GI)の実装により解決され、堅牢になりました。(#156597)

従来 以降

これにより、このオプションを使用する既存のファイルの見た目が変わります。AO(アンビエントオクルージョン)パスと AO シェーディングノードもこの変更の影響を受けます。

Fast GI Approximation(高速 GI 近似)の Far Thickness(遠景の厚さ)パラメーターが削除されました。従来はこれがオブジェクトの周囲に暗いハローを起こしていました。

また、この実装はスピードとノイズリダクションに最適化されています。これは Precision(精度)スライダーが1未満の時に実感できます。(PR#157479)

フィルタリング

シーンベースの Anisotropic(異方性)フィルタリング設定。(69aa93bb55)

ミップマップ生成がバックエンド間で一貫するように。(2f657feb36)

ライトのカメラレイ可視性

EEVEE のライトがカメラレイの可視性に対応しました。(#158416)

ライトのカメラレイ可視性
ライトのカメラレイ可視性

インスタンス化のパフォーマンス

EEVEE が Workbench とオーバーレイと同じインスタンス化の最適化に対応しました。(#154963)

(CPU がボトルネックだった)重いシーンのインスタンス化が最大二倍高速化する可能性があります。

また、EEVEE がさらにインスタンス化の最適化による恩恵を受けられることも意味しています。

巨大なシャドウプールオプション

EEVEE の Shadow Pool(シャドウプール)のサイズに1.5GB と2GB が選択可能に。(#158344)

平面ライトプローブの改善と互換性

平面ライトプローブが Blender のマテリアルモードと、Shader to RGB(シェーダーのRGB化)ノードと互換に。(#158483)

[注意] この変更により、Blended(ブレンド)マテリアルが収容可能な最大テクスチャ数が1/2に減ります。これは Shader to RGB(シェーダーのRGB化)ノードを使用するマテリアルにも適用されます。

レイキャスト可視性切り替え

Raycast(レイキャスト)ノードに対する可視性が、オブジェクト単位で設定可能に。(#157799)

その他

  • EEVEE BSDF プロパティによるグラデーションのトーンジャンプが低減しました。(#158656)

  • EEVEE の屈折 BSDF が、平面ライトプローブ内の光を正しく評価するように。(619b029b08)

  • EEVEE の Principled BSDF(プリンシプルBDSF)の Sheen(シーン)が、クリアーコートレイヤーの法線を考慮するように。(15fbf39fae)

  • EEVEE のプリンシプル BSDF が、Normal(ノーマル)入力が正規化されていない時に、補間された法線を代替にするように。(PR#161129)

  • EEVEE が再生中、静止していても常にシーンを再レンダリングするように。(575b23e442)

  • EEVEE の Mix(ミックス)ノードと Float やベクトル値を一緒に使用した結果が Cycles と一貫性を保つように。(7abf059be9)

  • EEVEE がプラットフォーム間でのより決定性の高いバンプマッピングのため、GLSL の高精度の導関数を強制的に使用するように。(PR#159156)

  • EEVEE のサブサーフェス・スキャッタリングが、ライトパスが制限または強さがデフォルト以外の場合、間接光を別個に評価するように。(PR#159156)

  • EEVEE のライトレンダーパスが Cycles と一貫するようになり、BSDF の評価毎に蓄積しないように。(PR#159921)

  • EEVEE のレンダリング中のビデオメモリ使用量がほんの少しだけ減りました。(PR#155780)

  • EEVEE が Normal map(ノーマルマップ)ノードの Base(ベース)オプションに対応。(PR#160565)

  • EEVEE のマテリアル毎8オブジェクト属性までの制限を撤廃。(PR#160401)

  • オーバーレイのグリッド軸の輝度スライダーをテーマ設定に公開。(PR#158588)

修正

  • EEVEE の影の可視性での未定義の挙動を修正。(PR#159160)

  • EEVEE の多角形ぼけの被写界深度での未定義の挙動を修正。(PR#159305)

  • EEVEE のモーションブラーによる背景のオーバーブラーを修正。(PR#159299)

  • EEVEE の Light Threshold(光のしきい値)が0に設定されている時の影のアーティファクトを修正。(PR#157305)

  • スケールが均一でないオブジェクトで、EEVEE の Vector Transform(ベクトル変換)ノードの Normal(ノーマル)変換を修正。(PR#160254)

  • EEVEE の狭い FOV 角度での光のカリングを修正。(PR#160159)

  • EEVEE のシェーダーコンパイル後のボリュームのリフレッシュを忘れていたのを修正。(PR#160395)


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