元記事:Projects to Look Forward to in 2026 — Blender
Dalai Felinto 氏による記事の翻訳です。
今年もこの時期がやってきました。焼けるような夏の暑さや雪の静けさ、どちらでもない場合はそれなりに満喫していることと思います。部屋にこもっている皆さんは覚悟してください。楽しいことがいっぱいありますよ!
新しい目標に移る前に、昨年世界に送り出された成果を少しの間見てみましょう。年三回のメジャーリリースが計画通りに行われました。

Blender 4.4 スプラッシュ、画像は Flow© より
(Dream Well Studio、Sacrebleu Productions、Take Five)
ライセンス: CC-BY-SA - flow.movie)

Blender 4.5LTS スプラッシュ。画像は “DOGWALK”(Blender Studio作)

Blender 5.0スプラッシュ。画像は Juan Hernández 氏作)
その結果、新機能、安定性、パフォーマンス改善、計画のプロジェクト、積年の問題の改善の組み合わせになりました。
さらに、2025年は Blender 3.6 LTS、4.2 LTS、4.5 LTS にわたり、20の LTS リリースが行われました。
以前告知されたプロジェクトとリリース内容を比べると、告知されていなかった機能がいくつかあることに気づくでしょう。
ある意味、これは良いニュースです。Blender の開発は、モジュールがコミュニティの開発者やアーティストと密接に連携し、予期せぬ方向にプロジェクトを導く、ダイナミックな性質を持つ物であることが反映されています。
これらの貢献は、最終的にフルタイムの開発者になる可能性のある新しい才能の発見につながることがよくあります。そのため、これは多いほどいいのです。
しかしその一方で、告知されたプロジェクトがすべて完了・リリースされたわけではありません。その理由はたくさんあります。
楽観的すぎる(そして野心的すぎる)目標、範囲の過大評価、不明確な設計や範囲、締め切り破り、リソース不足、優先順位の変更、犬が宿題を食べた、など…。率直に言って改善の余地があり、今年はもっといい結果を目指します。
とはいえ、Blender プロジェクトの精神は、目標を設定することで、コミュニティの努力を共通の目標に向けて集中させるビーコンのような役割を果たしています。前置きはこれぐらいにして、チームが何を計画し、高みを目指してどこに辿りつこうとしているのかを明らかにしましょう。
今年提案されたプロジェクトは下記の領域で構成されています。
ストーリーツールとコンポジターのノードモディファイアーのフォローとして、ビデオシーケンサーの改善 ― GPU 対応、シーケンサーエフェクト、メディアビン(訳注:メディア専用のフォルダ)、リップル、三点編集などが増えると予想されます。

3D ブラシによるテクスチャワークフローの改善と、レイヤー化テクスチャの開始。
後者は単純ではありません。その当初のデザインは2022年に遡るため、適切な注目が集められるようになるまで保留になっていました。
今年には実現しないかもしれませんが、刷新されたベイクワークフローのような機能の兆しは見えています。
レンダリングの面では、今年は NPR(Non-Photorealistic Rendering: 非写実的なレンダリング)がより一層輝くでしょう。NPR レンダリングは2024年から2025年にかけてプロトタイプ化と反復を行っており、今は開発の準備が整っています。
中断の後、アニメーションレイヤーが再びメニューに挙がりました。当初の目標は、既存の機能に基づき、アクションエディターでこの機能を提供することです。デザインは最終調整されており、作業は第2四半期に開始される予定です。
Cycles のテクスチャキャッシュが開発の最終段階に入っており、多数の高解像度テクスチャによるレンダリングの効率が大幅に改善される予定です。これは長年要望のあった機能であり、新しいプリンシプル機能と、新しい OpenPBR ノードに続けてリリースされます。
また、言及すべきことに、シーンレイヤー化コンポジティング の新しいアプローチがあります。ビデオシーケンサーエディター内の新しいコンポジターモディファイアーのような、エフェクトのスタックだと思ってください。実際似ているため、シーケンサー用に設計されたエフェクトは、シーンでも機能します。
内部にはまだノードがありますが、(自ら望むのではない限り)アーティストが扱う必要はありません。これは、新しいジオメトリノードの配列モディファイアーが、意図した「エフェクト」の全体像に集中できるようにする一方で、柔軟性とパワーのためにノードの海に潜るのと同じです。人それぞれの、そして皆のための Blender なのです!
オンラインアセットが今年の上半期に Blender に登場予定です。Blender をインターネットのマテリアルやコレクションなどでネイティブに拡張するための扉を開きます。Blender Foundation はエクステンションプラットフォームでアセットの小規模なライブラリをホストする予定で、サードパーティのプラットフォームは同様のソリューションを導入できます。
プロジェクト設定は2025年、変数とパステンプレートにより初期のマイルストーンに到達しました。次に予定されているのは、専用のプロジェクトエディターと、アセット、アドオン、プロジェクト固有の変数などの共有プロジェクト設定です。
最後に、2024年末の設計に基づき、オーバーライドが見直されます。ダイナミックオーバーライドと呼ばれる新しいシステムにより、さらに柔軟な実行時定義の調整が可能になります。これにより、単純な単一キャラクターリグの対応が改善し、古い(2.80以前!)のプロキシシステム同様の体験が提供できるようになるかもしれません。

ロケーションスカウティングが昨年開始されましたが、VR ロコモーションの改善を完成させるため一時的に中断されています。後者は Blender 5.1に実装され、すでに勇敢なアーリーアダプターにはおなじみのようです。
ロケーションスカウティング自体は Blender Conference 2025にプロトタイプとしてデモ済みで、今年の前半を予想しています。

一方、XR 体験を Blender の他のグラフィックスの(Vulkan での)動作レベルに引き上げるため、並行して Vulkan と OpenXR の相互運用が開始しています。
ヘアーダイナミクスはすでに昨年目標として強調された作業を踏襲し、開発が続いています。クロージャとバンドルは、技術を持つアーティストによる直接体験にしかならないかもしれませんが、パックのようなアセット統合機能やモディファイアーの UI の改善は、Blender 5.0の新しいビルトインモディファイアーを可能にしました。
旧パーティクルシステムの置き換えまでにはまだ長い道のりがありますが、使いやすいインターフェースを備えた新しいヘアーソルバーは、その重要な一ステップとなります。
ノードと言えば、モーダルノードツールがノードベースのツールを拡張し、モーダル操作に対応します。長年にわたる設計の進化(2023、2024、2025)を経て、プロトタイプから開発段階へと移行する準備が整いました。また、これはジオメトリノードシミュレーションのインタラクティブモードの基盤となります。
タッチ対応を含む、Android デバイスへの最初の移植が始まります。これはリリース対象となる最初のモバイルプラットフォームでもあり、他のプラットフォームも続けて登場するでしょう。
最初はタブレットに集中しますが、同じ技術で XR デバイスでも Blender をネイティブに動作させることができます。全体的な使いやすさの改善は、外出先で作業するアーティストや、すでに通常のディスプレイ(あるいはディスプレイのない)タブレットを使用しているユーザーの両方に恩恵をもたらします。
(参考 (PRともいう):訳者が以前窓の杜に書いた記事)
Blender Lab 活動の立ち上げに向けて、開発チームは Blender における自然言語入力の可能性を探求します。この実験の目的は、既存の Python API を介して通信を行う Blender 用 MCP サーバーを開発することです。
モデルコンテキストプロトコル(MCP)はオープンソースの標準であり、LLM が外部データ、ツール、システムと接続できるようにするものです。
モジュールでは常に保守と進行中の開発が行われています。ここでは取り組み中の領域を少しだけご紹介します。
EEVEE は、改善された平面反射など、EEVEE-next リリース以前と同等の機能を目指しています。また、レイトレーシングパイプラインの改善や、シェーダーコンパイルの最適化も行っています。
最近のグリースペンシルのカーブタイプ対応の改善とレンダリングオプションの追加の後、現在はフィル作成のワークフローの更新と、穴への対応に注力しています。
最初の Cycles プロジェクトが完了した後、光の移送の改善や複雑なシーンの処理に取り組む計画です。また、外部レンダリングエンジン APIの改善も検討中です。
さらに下記への取り組みも行われています。
下記は2026年に予定しているリリースと、設定初期の期日です。
さらに年内で下記の LTS リリースの更新が予想されています。
これらの進捗はすべて寄付と、コミュニティからの現在進行中の関与や貢献におかげで可能になっています。
開発ファンドへの寄付で、Blender Foundation のコア開発、保守、新規リリースの作業の支援をお願いします。
(訳者注:元記事では「一回のみ」などの他の方法による寄付も行えます)
新機能の開発は開発者ブログをチェック、議論は DevTalk フォーラムに参加してください。
チームを代表し、2026年が皆さんにとって素晴らしい年でありますように。Happy Blending!
Dalai Felinto
Head of Product, Blender