元記事:Projects to Look Forward in 2024 — blender.org

少し遅れましたが、Dalai Felinto 氏の記事の翻訳です(※リンク先は基本的に英文)。


2023は目覚ましい年でした。私たちは新プロジェクトを開始し、その他を継続、いくつかが完了し、一部は延期しました。長年にわたり、再びあるパターンが明るみに出ました。プロジェクトが多すぎるのです。

並行する多数のプロジェクトの所有と管理は、誰にとっても難問で、エネルギーと注意が散逸してしまいます。もし何らかの緊急事態が発生した時、多数のプロジェクトと小さなチームはプロジェクトを長引かせるリスクを与え、フラストレーションと、もっとうまくできたのではないか、という後悔の念を引き起こします。

各モジュールは作業を継続し、blender.org のコミュニティはコアの機能のため、品質のハードルを引き上げる支援を続けます。さらにそれに加えて、2024年完了プロジェクトを始めます!

最初のクォーター(1月から3月)の間、以下のプロジェクトの完了を目標とします。

ジオメトリノードや Vulkan のようなプロジェクトは、当分後回しとなります。優先度高の問題とそのコミュニティのパッチ、その他のモジュールも依然週に一度処理する予定です。
Character Animation プロジェクトは今年の間、Animation & Rigging モジュールで唯一の優先的プロジェクトとなります。

Extension Platform

Blender Foundation は、アドオンやテーマ、アセットライブラリを共有、発見、ダウンロードする、公式のコミュニティが管理する Webサイトを立ち上げます。

このプロジェクトはオンラインプラットフォームBlender への統合の二つのパーツで構成されています。次のステップは新しいスキーマの対応、Blender 統合の設計についての議論、次のタスク群への分割です。

GPU based Compositor

このプロジェクトは新しいコンポジターバックエンドを追加し、GPUアクセラレーションを活かした、リアルタイムでの操作に充分なパフォーマンスを得ることです。

最初のバージョンは Blender 3.5の3Dビューポートに追加され、現在はほぼすべてのノードに対応しています。残りの作業は最終コンポジティングに耐えうるようにすることで、レンダーパスやその他欠けている機能を追加し、CPU と GPU コンポジティングの挙動を統一します。

EEVEE Next

Blender のリアルタイムレンダリングエンジン、EEVEE は Blender 2.80で導入されて以来、ずっと進化し続けています。現在の目標は、EEVEE を最新のハードウェアの革新や新しい技術に対応させることです。

これは数年間にわたる大規模なリファクタリングです。元々の目標は従来の機能の移植(Feature Parity)に専念することでしたが、すでにスクリーンスペースグローバルイルミネーションや、ディスプレイスメント対応のような新機能がいくつか追加されています。
現時点ではデイリービルドで利用可能ですが、まだ一部の機能が欠けており、統合 GPU において、Blender が対応できるかどうかが不透明なパフォーマンスの問題もあります。

Grease Pencil 3.0

グリースペンシルは今後十年以上における堅牢な基礎を築くことを目的として、水面下で完全に書き直されています。パフォーマンスとメモリ消費量を改善し、新機能(ジオメトリノードなど)への道を開くことになるでしょう。

この新しいグリースペンシルは Blender の実験的機能として利用可能ですが、まだ移植が必要な機能が多数あります。機能の移植後にジオメトリノード対応が予定されていましたが、すでに Blender にあります。

Brush Assets

アセットシステムとブラウザーが、ペインティングとスカルプティング用のブラシに完全に対応します。これにより、他の人とのブラシの使用や作成、共有が簡単になります。

最初のターゲットはすでに Blender 4.0にあります(「全て」のアセットライブラリとまだポリッシュされていないアセットシェルフ)。

プロジェクトのメインパート(ブラシアセット自身)は最近再設計され、元の案にあったドラフト(草案)システムの必要なく、アセットを直接作成可能になりました。


 
プロジェクトの完了は別のモジュールの見直しと、issue とパッチを取り上げる緩衝期間の後に行われます。

その少し後、次のクォーター(4-6月)の別のタイミングに、興味深いプロジェクトがラインアップされています。

  • Pipeline & Assets(パイプラインとアセット)
  • Sculpting & Painting(スカルプティングとペインティング)
  • Physics & Simulation(物理とシミュレーション)
  • Tablet Input Mapping(タブレット入力割り当て)
  • GPU Projects(GPU プロジェクト)

これらのプロジェクトの大半は、その範囲と計画を具体的にするため、設計に肉付けする必要があります。これは最初のクォーター(1月から3月)、または最終的に公式にプロジェクトを開始する直前になるでしょう。

さらに他にも!

  • 2024年には4.1、4.2LTS、4.3の3つのリリースを予定しています。
  • 4月には最初の北アメリカ Blender Conference がロスアンジェルスで行われる予定です。
  • Cycles や USD、その他のモジュールはまだ通常の開発を継続する予定です。
  • すでに第三、第四クォーター用のアイデアもありますが、これらは計画の実現性高いままにするため、期日が近づいたら告知する予定です。

中期と長期リスト

  • Blender Apps(リソースがないため未定)
  • レイヤーテクスチャリング(2024年後半に開始する可能性が少し)
  • Vulkan への移行(2024年後半の可能性、GPU プロジェクトに依存)

新しい開発を追うには、Blender Code ブログから目を離さないでください。
皆さんを代表し、私が2024年が素晴らしい年でありますようお祈りします。Happy Blending!

Dalai Felinto, Product Manager at Blender.


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