元記事:Projects Update – Q2/2025 — Blender Developers Blog
Blender 開発者ブログの Dalai Felinto 氏の記事の翻訳です。
2025年初頭、今年最初の目標として、いくつかのプロジェクトが発表されました。Q2(第二四半期)半ばの今、各プロジェクトがどの段階にあるかを見ていきましょう。
Vulkan バックエンドは、次の Blender 4.5 LTSで正式に対応されました。OpenGL と同等の機能とパフォーマンスを提供します。
次のステップは、バグ報告を監視し、最終的にはデフォルトのバックエンドにします(macOS 以外のシステムの場合)。
ユーザーの皆さんには、プリファレンスでの有効化と、バグの報告をお願いします。
(UV同期)
(5年前の!)UV Sync デザインタスクのすべての問題が解決しました。
pr-uv-sync-select` ブランチで開発が進行中です(ビルドはこちらで利用可能です)。
残りの作業は一部の選択オペレーターの移植の完成と、小さな問題の解決などです。#136817をチェックしてみてください。
(ノードツリー間の統合の改善)
コンポジターは、Vector Math (ベクトル演算)、Vector Rotate (ベクトル回転)、Vector Mix (ベクトルミックス)、Value Mix (値ミックス)、Clamp (制限)、Float Curve (Floatカーブ)、Blackbody(黒体)といった新しいノードの追加により、シェーディングやジオメトリノードと同等の機能に近づいています。
次のステップは、既存のノードオプションのほとんどをソケット入力として公開することです (#137223)。これにより、コンポジターノードアセットを Blender にバンドルできるようになります。
その後、新規ユーザーの教育を単純化するため、ノードツリーを再利用可能にすることに集中し続ける予定です(#135223)。
最初のマイルストーン(Blender Variables)が最近マージされました。次のステップは Path Templates エラーをより強固な方法で処理することです。
その後、プロジェクト定義段階が始まる予定です。#133001をチェックしてみてください。
(シェイプキー改善)
当初はパフォーマンスの問題として認識されていましたが、シェイプキーの使いやすさと管理へと焦点が移っています。
その一環として、シェイプキーの複製と更新のための新しいオペレーターがすでにマージされており、それぞれのミラー反転対応も続きます。
さらに、シェイプキーの複数選択と編集に関する作業も進んでいます。#136838にて確認できます。
(リモートアセットライブラリ)
プロジェクトの範囲が、下記のようなユーザビリティの改善にも広がりました。
一方、ダウンロード処理のためのコードはレビュー用に提出されましたが、問題が発生しました。
開発は
remote-asset-library-monolithic
ブランチで行われています。#134495にてプロジェクトをチェックしてみてください。
ヘアーダイナミクスプロジェクトは複数の成果物からなります。
ヘアー物理ソルバーについては、今後の Blender Studio プロジェクト(現時点では未定ですが、顔のリグに焦点を当てています)をユースケースとして使用する計画です。少なくとも実験的な機能として開発を進めます。
これは既存のアニメーションヘアーに関する問題も、当初は別のヘアーオブジェクトを使用していたアニメーションとシミュレーションを、同じキャラクターに統合することで解決します。
(テクスチャキャッシュとミップマップ)
当初はリソース不足のため計画されていませんでしたが、最終的に議題へ追加されました。基本的なプロトタイプはすでに
cycles-tx
ブランチで利用可能です。 Attic と Bistro のベンチマークシーンでは、すでにメモリ使用量が大幅に削減されています。
これらのシーンは、テクスチャキャッシュ(.tx
)ファイルが含まれているため選択されました。プロジェクトは#68917で確認できます。
NPR(ノンフォトリアリスティックレンダリング)プロトタイプは、広範なフィードバックを受け、プロジェクトの計画および未対応のユースケースをすべて割り振るのに役立ちました。
最終的なデザインと開発計画を含む詳細は、近日中に共有されます。簡単には以下の通りです。
まず EEVEE の機能が優先され、マテリアル/オブジェクト毎のコンポジットノードはさらに設計が必要です。
(ストーリーツール)
これまで、シーンから VSE ストリップを取り出し、専用のシーケンスデータブロックを作成するためのプロトタイピングと設計の最終決定が焦点となっていました。
次のステップは、以下のいずれかの方法で設計を固めることです。
次いで技術的なブレイクダウンが続き、その後開発に入ります。プロジェクトは#131329でチェックできます。
レイヤードスカルプトはまだ開始されていません。当初の計画では、まずマルチレゾリューションの undo と再構築の問題に対処し、その後スパイクの伝播を修正することでした。
しかし、ここ数か月、焦点は4.3リリース以降に存在するスカルプトパフォーマンスの問題に対処することにシフトしました。主な問題は以下の通りです。
パフォーマンスのパッチが現在レビュー中で、次の4.5LTSリリースまでに実装される見通しです。完了後、undo とマルチレゾリューションへの取り組みが再開されます。
(ダイナミックオーバーライド)
チームは現在、5.0の互換性のなくなる変更のターゲットとその他のタスクに注力しているため、オーバーライドプロセスの簡略化を目的とした最初の変更を開始できていません。
これらのプロジェクト以外にも、様々な開発モジュールで日常的に活動が続けられています。もっと頻繁な日々の進捗状況については、ウィークリーの更新とモジュールミーティングをご覧ください(訳注:当サイトのウィークリーレポートもね!)
この進捗は寄付と継続的なコミュニティの寄与と貢献のおかげで可能になっています。